2020.02.11ARTIST
ユレニワ 2月19日 Album「ピースの報せ」リリース決定!
ユレニワが2月19日(水)に初の全国流通盤となるアルバム「ピースの報せ」を発売することが決定!
リリースに伴い全国8箇所を廻るツアーも開催!
ツアーファイナルは3月29日(日)下北沢SHELTERでのワンマンライブ!ぜひお越し下さい!
詳細はコチラ
2019.08.21MASHROOM
MASHROOM2019 ライブレポート!!
2015年から行っているMASH A&R所属のアーティストが一堂に会する年に1度のライヴイベント「MASHROOM」を、今年も8月14日(水)に新木場Studio Coastで開催しました。THE ORAL CIGARETTESやフレデリックを筆頭に、所属全7バンドによるタテヨコに築かれた信頼関係とライバル意識が目に見えるような白熱のアクトが繰り広げられました。FRONT STAGEとLEFT STAGEの2ステージに分かれて行われたライヴの模様をレポート!!
■THE ORAL CIGARETTES
FRONT STAGEのトップバッターは今年の3月にKisses and Kills TOUR国内ファイナルの横浜アリーナ公演を成功させ、5月にはアジアツアー編として上海、北京、台北の3ヵ所で初のワンマンライヴを行ったTHE ORAL CIGARETTES。その自信に裏打ちされるようにこの日は“接触”からスタートし、オーディエンスが生み出すモッシュに共振して雪崩のように“STARGET”、“嫌い”を次々とドロップしていく。これまでの自分達のロックバンドのメソッドから様々なジャンルの音楽を咀嚼して可能性を広げたアルバム『Kisses and Kills』を経たことで、続いた“DIP-BAP”“カンタンナコト”など、バンドサウンドがより強靭かつ柔軟にビルドアップされているのが伝わってくる。途中でMCを挟まないライヴ進行でフロアのボルテージが常にMAXに保たれているためか、新たな必殺アンセム“BLACK MEMORY”を投下するまでが本当に一瞬のように感じた。山中拓也(Vo&G)は楽しそうにニヤリと笑みを浮かべながら、8月末にリリースされるベストアルバム『Before It’s Too Late』をも思わせるような過去から現在までを幅広く縦断したセットリストでStudio Coastをガンガンに揺らす。ラストの“PSYCHOPATH”ではまだまだ食い足りないといった様子で、底が見えない圧巻のパフォーマンスを後に続く後輩達に見せつけ、颯爽とステージを去っていった。
(C)ハタサトシ
■ユレニワ
LEFT STAGEの一番手を務めたのは昨年の12月に行われたMASH A&Rによるオーディション「MASH FIGHT! Vol.7」でグランプリを受賞したユレニワ。シロナカムラ(Vo&G)は初っ端から「やっと時代が俺らに追いついてきたと思うんですよ。今からやるのはユレニワの音楽であり、日本の音楽の幕開けです」と言い放ち、先輩達に臆することなく気概を見せた。その上でまずは喉の奥から絞り出したような声と切れ味の鋭いサウンドで“重罪”を、そして心の奥底に渦巻いた感情を音に乗せて解き放つように“Hello Glow”をフロアに満遍なく響き渡らせていく。その後に繰り出された“缶詰”や“アパート”に顕著なように、彼らの音楽には生き急ぐような焦りをそのまま鳴らしているかのようなヒリヒリとした切迫感と、そんな日々さえも愛おしく抱きしめるような温かな優しさが違和感なく同居する。特に“バージン輿論”のAメロでの静謐なリフとサビで爆発する4人の音の温度感はそのままシームレスに繋がっていたし、先輩達への敬意も語りつつ「いい曲書いたら上にいけるか?」と獰猛に叫ぶ姿からは、ひたすらに情熱に突き動かされるロックバンドのロマンティシズムを感じさせられた。最後の“PLAY”が終わった頃には、このまま行けと言わんばかりにオーディエンスから拳が上げられていたのが印象的だった。
(C)Masanori Fujikawa
■LAMP IN TERREN
続いては先日、日比谷野外音楽堂でのワンマンライヴも成功させたLAMP IN TERRENが登場。昨年のMASHROOMの際は松本大(Vo&G)の声がほとんど出ない状況で、ステージをやり切るものの悔しい想いをしており(本人がMCでも語っていた通り、あのステージがひとつのきっかけとなり、その後のポリープ摘出手術につながった)、いわばこの日はリベンジライヴでもあった。彼らは昨年末にリリースしたアルバム『The Naked Blues』への過程も含め、明確にそれまでの自分達自身を脱ぎ捨てて生まれ変わるべく邁進してきたが、この日のライヴも“innocence”から開始後、すぐさまダークでエッジーな雰囲気の漂う新曲を放り込んできた。松本のブルージーなシャウトや完全にその場を掌握するようなステージングも含め、フロアの空気が一変し、彼らの音楽へと惹きつけられていく。さらに“凡人ダグ”から野音に向けて制作された“ホワイトライクミー”へと繋げ、バンドの最新モードを見せつけたLAMP IN TERREN。終盤の“地球儀”では密かな願望だったという松本がステージからフロアへと「人生初」ダイブを果たし、クラウドサーフを行う局面も。自分が進むべき道、歌い鳴らすべき音楽への照準が定まったことでライヴの強度が明らかに増し、新たな季節の訪れを告げる幸福な光景が一面に広がっていた。ラストはMASHの仲間達に向けているであろう内容に歌詞を改変した“BABY STEP”をしっとりと歌い上げ、幕を下ろした。
(C)ハタサトシ
■YAJICO GIRL
次は「Indoor Newtown Collective」を掲げるYAJICO GIRL。8月初頭にリリースされたばかりの『インドア』はそれまでのギターロック然とした作風から一転、R&Bやエレクトロをはじめ海外の現行シーンへの同時代を意識したサウンドプロダクションを獲得することによって、今後彼らが進んで行く方角が定められたかのような意欲作だった。この日のセットリストはそんな気概が表れたかのように“いえろう”以外はすべて『インドア』の収録曲で構成されていたし、バンドとして明確に次のモードに進んで行く意志を示すものであったと言えるだろう。さらに言えば“いえろう”に関しても明確に『インドア』以降のモードでリアレンジが果たされていて、その変貌ぶりが端的に彼らの進化と成長を示していたと思う。ブルーのライトに照らされながら四方颯人の紡ぐリリックが暗闇の静けさに溶けていくようにループしていく“NIGHTS”や、アンサンブルが徐々に壮大さを帯びていく“汽水域”然り、うだつの上がらない日々を歌いながらそこから逃避行を望むYAJICOのライヴはとにかく自由だ。途中で機材トラブルに見舞われることもあったが、最後は「新星YAJICO GIRLをよろしくお願いします」という宣誓から“ニュータウン”をプレイし、大歓声で終えたステージにはハッキリと光の道筋が見えた。
(C)Masanori Fujikawa
■Saucy Dog
BRAKE TIMEを挟んで登場したのは先輩3バンドを招いて東名阪を回ったツアー「One-Step Tour」を終え、その名の通り次のステージへのスタートダッシュを切ったSaucy Dog。石原慎也(Vo&G)はツアーファイナルのZepp DiverCity公演で、たとえ自信がなくても自分を信じ曝け出すことの大切さを自分自身に言い聞かせるように語っていたが、この日のライヴは実に自信に満ち溢れたアクトを熱演していた。特に10月にリリースされるミニアルバム『ブルーピリオド』に収録予定の新曲“雀ノ欠伸”は、リズム隊のふたりに支えられた上で石原の歌唱がいつも以上に伸びやかに飛翔。続く“コンタクトケース”と“いつか”も、ゆるやかなミディアムバラードでありながらサビにかけて光が広がるように鳴らされる3ピースのアンサンブルには、彼らが手に入れた確かな自信が宿っていたように思う。初めてのMASHROOMでオープニングを務めた時の思い出も交えてMCで語られたのは、初心に帰ることができる場所としてのMASHROOMヘの想いと、ここに集まった音楽ファンに対する大きな感謝だった。その上でまだまだ自分達の殻を破っていくべく鳴らされた“グッバイ”からは、彼らの果敢な挑戦心が伝わってきた。
(C)ハタサトシ
■パノラマパナマタウン
LEFT STAGEを締めくくるのは、リハーサルでいきなりエアロスミスの“Walk This Way”を披露し歓声をさらったパノラマパナマタウン。岩渕想太(Vo&G)の「調子はどうだい?」という掛け声で火蓋を切ると、序盤から“ずっとマイペース”や“世界最後になる歌は”など、岩渕の放つリズミカルなラップと高速ギターリフの合わせ技を鮮やかに決め、そのままトップスピードで新曲の“HEAT ADDICTION~灼熱中毒~”へ突入する。さらに打ち込みが絶妙に効いた“月の裏側”でオーディエンスを圧倒させたかと思えば、MCではMASH A&Rにかけて好きなきのこランキングを発表(ちなみに1位はなめこ。マッシュルームではないのか)、そこからフリースタイルへと移行し、“マジカルケミカル”に繋いでハンズクラップやコールアンドレスポンスを誘発するなど、まさにやりたい放題でユーモア溢れる彼ららしいパフォーマンスを披露した。後半に入ってもペースを崩すことなく、“フカンショウ”でStudio Coastをディスコさながらのダンスフロアに変え、独壇場となったステージの真ん中で最後に歌い鳴らされたのは“めちゃめちゃ生きてる”。言葉の連打と豪快な音で爪痕を残し、ラストに控える先輩のフレデリックにバトンを託した。
(C)Masanori Fujikawa
■フレデリック
総勢7バンドによる大集会MASHROOMのトリを務めたのは、来年2月に控える横浜アリーナでのワンマンライヴに向けてロングツアーを敢行中のフレデリック。初っ端から“飄々とエモーション”でスケール感のあるシンガロングをフロア全体に響かせると、エレクトロポップを前面に押し出した軽快なビートの上で三原健司(Vo&G)のハイトーンがリズミカルに跳ねる“シンセンス”へ。音、歌、パフォーマンスのどれを取っても頼もしさに満ちており、彼らの10年が30分に凝縮されたような濃いライヴが展開されていく。フレデリックはMASH FIGHT!の中で唯一グランプリではなく特別賞を受賞した稀有なバンドだが、そんな彼らだからこそMASH A&Rに対する想いは大きい。「NEW ROCK NEW STANDARDがいろんな形で叶ってる、最高の事務所です」と健司が述べるとフロアからは拍手が送られた。もちろん自らもNEW STANDARDを示すべく、中盤では新曲“イマジネーション”を、さらに「トリをやる日が来たら挑戦してみたかった」と本編最終曲を新曲で締める形で“VISION”を初披露。どちらの曲もそれぞれにフレデリックの新たな引き出しを開けた楽曲で、ライヴを重ねるごとにビルドアップされていく演奏含め、現在進行形で進化する自分達の音楽をきっちりと提示していた。
(C)ハタサトシ
■アンコール
そんな圧倒的なライヴをかました後、アンコールではアコースティックセットが組まれ、フレデリックをホストにこの日限りのスペシャルなセッションへ。Saucy Dog石原、パノラマパナマタウン岩渕、LAMP IN TERREN松本が呼び込まれ、それぞれ三者三様のヴォ―カリゼーションでフレデリックの曲を歌い鳴らした。
(C)Masanori Fujikawa
最後には“オドループ”をMASH A&Rの全ヴォーカリストがマイクパスしながらオーディエンスと共に歌い踊り、全メンバーが出てきて最高のフィナーレへ。MASH A&Rに対するアーティストとファンの愛が新木場Studio Coastを包み込み、その愛の大きさに何度も感動させられるような1日だった。
(C)Masanori Fujikawa
(C)ハタサトシ
なお、MASH A&Rはこの7月から、新たな形態でのオーディション企画「MASH HUNT」を展開中。これまでの1年に1度の頂上決定戦型から新たな形式にモデルチェンジし、さらに多くの才能を発掘すべく、エントリーを受け付けています。毎月選出される「MASH PUSH!」もMASH HUNT公式サイトで紹介中なので、ぜひそちらもチェックしてください!
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テキスト=栢下 錬